低用量ナルトレキソン療法との併用が、がんの治療に有効です。
① アルファリポ酸の効果
アルファリポ酸は数ある抗酸化物質の中でも、以下の特徴的な働きを持つ抗酸化物質であることから、様々な病気の改善が期待できます。
- 治療方法
- 点滴によって静脈内に投与します。
- 費用:保険適応でない治療の為、自由診療(全額自己負担)となっており、保険外診療となります。
- 1回…16,500円
- 期間、頻度
- 週1~2回程度
※症状によって変動します。
- リスク・副作用
- 副作用はほとんどありませんが、最近、アルファリポ酸のサプリメントを服用し低血糖を発症した、インスリン自己免疫症候群の例が報告されました。点滴によるインスリン自己免疫症候群の発症は報告されておりませんが、十分にケアをしながら点滴することをおすすめします。
- 入手経路など
- ドイツのWörwag Pharma社で製造されたものを使用しています。
ドイツを中心に欧州全域で保険適用されています。
糖尿病性神経障害、癌、悪性リンパ腫、自己免疫疾患、慢性肝炎、肝硬変を改善すると報告されています。
詳しくはこちら:点滴療法研究会「アルファリポ酸点滴療法」
② 適応疾患
- 慢性肝炎または肝硬変などの肝疾患。
- がん: 乳癌、肺癌、膵癌、肝癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、悪性リンパ腫など、ほぼすべてのがんの原発や再発、転移の治療、さらに抗がん剤による化学療法の治療の効果促進や副作用軽減、放射線治療による副作用の軽減に。
- 皮膚筋炎、全身性エリスマトーデス(SLE)、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患。
- パーキンソン病などの神経疾患。
③ アルファリポ酸の特徴的なはたらき
- 水溶性(血液や脳脊髄液など)、脂溶性(脂肪など)どちらにも働く抗酸化物質。
- ビタミンA、C、Eやグルタチオンなどの他の抗酸化物質を再生。
- 私たちが生きるために必要なエネルギー(ATP)を作る際に必要。
④ 低用量ナルトレキソン療法を併用
この治療は、免疫力増強やがん細胞のアポトーシス(細胞死)効果のあるナルトレキソンを、眠前に1カプセル3mgを服用します。
⑤ 高濃度ビタミンC点滴療法
高濃度ビタミンC点滴療法後に引き続きアルファ・リポ酸点滴をすることでビタミンCの抗腫瘍効果を増強します。
⑥ アルファ・リポ酸点滴療法のがん治療としての作用機序
間接的作用
- ・がんの発生や進行の原因となるフリーラジカルを消去する。
- ・がんの発生に関わるとされる転写因子の活性を阻害する。
直接的作用
- ・免疫力を高めます。
- ・がん細胞内のミトコンドリア内でのエネルギー産生の環境を変化させることで、がん細胞に不利な環境を作ります。
- ・がん細胞のアポトーシスを実行する因子を促進させる。